紫を送り出す日
KIKA (2009年5月24日 12:42)
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その日はとても晴れやかで、風は少ないけれど吹けば涼やかな、気持ちのよい天気だった。
我が家のフェレット・紫を、送り出す日。

我が家では今、ゴデチア(色待宵草)という花が咲いている。
わたしが種から育てた花で、正直種撒きすぎ!苗多すぎ!花咲きすぎ!というくらい、それはもういっぱいに咲き乱れている。
紫も花は好きで、わたしの撒いた種、育てた苗、咲く花をよくくんくんと嗅いでいた。
だから生前、紫にゴデチアの咲く様を見せながら、
きれいでしょう、じゃあこれ、むらちゃんにぜぇんぶあげるねっ
なぁんてね、約束してたんだ。
火葬台で横たわる紫に、そんなゴデチアの花を、およそ120本ほど添えた。
カリカリご飯も、ちょっとだけ。
お手紙は、書くのをやめた。
言いたいことは紫が生きている間に全部言ったし、
これからだって話そうと思えば話せるような気がするから。

紫の送り出しをお願いしたのは、「
ペットPaPa」さん。
風習やしきたりに依らない《ペットらしいお別れ》を、というペット葬儀屋さん。
火葬車を、自宅近くの自然豊かな公園、緑多い里山のような公園に停め、
がんばってくれた紫の体と、さよならをした。

骨になるまで、およそ30分。
広く、静かで、心地のよい公園だったから、穏やかに待つことができた。

ペットPaPaさんはとても丁寧に紫の体を扱ってくれ、嬉しかった。
骨は見事なまでに形をとどめ、おそらくは細心の注意を払って並べられていた。
骨ってこんなに綺麗だったんだ、と初めて知ったよ。
また骨壷を包む布、リボンは手作りで、とてもかわいらしい。
きれいに、きれいに、美しく、かわいらしく。
紫らしく、送り出せたと思う。
ペットPaPaさん、ありがとう。

骨になった紫と自宅に帰ると、お隣の奥さんとお嬢さんに呼び止められた。
手渡されたのは、桜貝色の、美しいガーベラたち。
「これ、たくさんいただいたので、おすそ分け。お花好きでらっしゃるから」
......なんてタイミング!
もちろんお隣さん、紫のことはご存じなくて、これは純粋なる偶然。
ああ、すばらしい偶然ってやっぱりあるんだね。
そして、お世話になっている動物病院からも、思いがけずお花をいただいたり。
(町田の往診専門りん動物病院さん。
お隣の相模原市にも同名の動物病院さんがありますが、そちらとは違う病院です)
それは美しい、白と紫色(!)の、トルコキキョウ。

お花、いっぱい!
そんなお花たちの一部と、綺麗な紫と......
リビングのテーブルに並べてシャッターを切ると、撮れたのは思ったより何気ない風景。
ただ、心の中でそれが何気ない様になるのは、まだちょっと先。

蹴馬のときは貫くような悲しみだったけれど、今回は、なんだかとても重い悲しみ。
今は、明日の予定ですら入れたくないし、考えることもできない。
けれど、ふと思い立って、夫&犬の京とともに、アイスクリームを食べに腰越まで歩いてみたりする。
日々を楽しみながら、紫がいないことにも悲しんで......
しばらくはそんな風に、毎日をできるだけ気の向くまますごしてみたい。
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